歯根破折治療

歯根破折(しこんはせつ)
について

歯根破折が起きると、教科書的には抜歯が第一選択となりますが、破折歯を上手く抜歯し、限られた時間で口腔外で接着作業を行い、再び口腔内に戻す、破折歯口腔外接着法を当院では力を入れて行っております。

破折歯口腔外接着方法の適応について

  1. 抜歯のできる歯であること。
    根が複数ある、抜きにくい上顎大臼歯ではこの治療が適応外となることもあります。
  2. 破折してから、長期の時間が経過しすぎていないこと。
    (個人差がありますのでご相談ください)
  3. 破折歯周囲の歯槽骨がある程度残存していること。
    重度の歯周病、あるいは炎症で歯槽骨吸収がある際は、処置が難しくなります。
  4. ご自身の残存している歯の厚みがある程度あること。
  5. CT,マイクロスコープでも破折線が確認できない場合、
    経過観察をお勧めする場合もあります。
  6. 破折による炎症が、破折歯口腔外接着法を行っても無くならないと判断した場合、
    抜歯をお勧めします。
  7. 破折による炎症により、全身疾患への影響がありそうな場合、抜歯をお勧めします。

治療方法の種類について

口腔内接着法

亀裂がごくわずか、亀裂が浅い場合は、根管治療を行い、口腔内で接着剤を使用することで歯を保存することが可能となります。

口腔外接着再植法

亀裂が大きい場合、深くまで進んでいる場合は、一度歯を抜いて外で接着作業を行い、再び口腔内に戻すという治療方法が第一選択となります。

歯が残せないと判断した場合

抜歯し、インプラント(場合によっては骨造成併用)または、ブリッジ、義歯となります。

インプラントについて詳しく見る

破折歯口腔外接着治療の流れ

個人差はありますが、破折歯口腔外接着法を行い、再び咬めるようになるまで2か月〜3か月の期間がかかります。

  1. 問診・カウンセリング 受付よりお渡しした問診票にご記入下さい。ご記入いただいた問診票をもとに、歯科医師がお話をお伺いいたします。治療に関してのご要望や、不安なこと、疑問なことは何でもご相談ください。
  2. 検査 レントゲン・マイクロスコープ・CT・口腔内カメラにて破折の有無、どのように破折しているのかを精査します。
  3. 破折歯の消毒治療 炎症を抑えてから、外科処置が可能になるので、破折歯の消毒あるいは、根管治療が数回必要なケースもあります。
  4. 口腔外破折歯接着処置 概ね30分ぐらいの処置時間となります。
  5. 1か月の固定・安静期間 1か月間、隣在歯と接着し安静を保ちます。
  6. クラウン装着 接着を外し、レントゲンでも状態を確認し、問題がなければ、クラウンをかぶせる処置をします。

歯根破折治療の症例

CASE:1

治療前
治療中
治療後(術後2年半)
治療内容 破折歯口腔外接着治療
年齢 45歳女性
主訴 他院で抜歯と言われた。
治療費 ¥110.000(税込)
治療のリスク 状況によって処置ができない場合、生着しないケースもあります