破折歯の接着治療

当院の歯根破折の治療方法

当院の歯根破折の治療

口腔内接着法

歯根破折による歯の周りの組織炎症が少ない場合に適用される方法です。

  • 口の中で歯をスーパーボンドで接着
  • コアを増築
  • 仮歯作製、装着

口腔外接着再植法

割れた歯が長く放置された場合や、亀裂が大きく開き分離している場合に適応される方法です。

  • 破折した歯を一度抜歯
  • 口の外で歯をスーパーボンドで接着、コアを増築
  • その歯を再び口の中に再植し、スーパーボンドで固定、縫合。

マイクロスコープを用いた精密な治療

当院では、肉眼では見えない細部は「マイクロスコープ」と呼ばれる歯科用顕微鏡を使用しています。どんなに腕の立つ歯科医師でも経験と勘だけに頼るのは限界があります。

特に外科処置はミクロン単位の細かい治療が重要なため、肉眼の約20倍まで拡大することができるマイクロスコープを使用して、より精密で確実性の高い治療を行う必要があります。

実際の破折歯の治療例を紹介

1.初診時の様子
治療前

こちらは初診時の写真です。歯茎にぷっくらとした膨らみがあるのがわかると思いますが、これが歯根破折の初期状態です。

2.被せ物を除去して内部を確認
被せ物を除去した際の写真

こちらの写真は過去の治療で被せてあったクラウン(被せ物)を取り外し、拡大鏡で中を確認した際の様子です。割れてしまっているのが分かります。

3.破折歯を取り出す
破折歯を取り出した写真

今回の治療は亀裂が大きいため「口腔外接着再植法」を選択しました。そのため一度抜歯して、スーパーボンドで接着を図ります。

4.接着した歯を元に戻す
接着した歯を戻す

接着した歯を再植している(元に戻している)様子です。上部についているのはコアと呼ばれる人工土台で、被せ物を支える役割を担っています。

5.切開した歯茎を縫合する
歯茎を縫合

口外で破折歯を接着するために歯茎を切開して取り出しているので、再植後は歯茎を縫合します。後日消毒と抜糸を行います。

6.治療完了
治療完了

最後に被せ物を行い治療終了です。被せ物は見た目も綺麗でかつ強度性も高いジルコニアセラミッククラウンを使用しています。

歯根破折を予防するには?

歯根破折を予防するには?

1.虫歯の早期発見

日頃から定期的に定期検診に通い、初期の段階で虫歯を発見して治療することが、ご自身の歯をいつまでも健康に保つ秘訣となります。

2.歯の神経を大切にする

歯の神経には毛細血管があり、歯を健康に保つための栄養が流れています。
虫歯などで歯の神経を取ってもご自身の歯を残すことはできますが、歯に栄養が行き届かないため、歯の内側から徐々に脆くなり、歯根破折してしまう原因となる可能性があります。

3.被せ物の土台を金属以外にする

歯の神経を取る治療をしたあとに被せ物をした場合に土台(コア)を金属にすると、金属と歯は親和性が低いため、噛んだときに歯が割れてしまったり、土台の上にある被せ物が何度も取れてしまったりすることがあります。

そのため、グラスファイバーコアという、金属以外の歯の性質に近い土台を使用すると割れる確率が大幅に下がり、歯根破折を防ぐことができます。

4.咬合治療

噛み合わせが悪いと、全ての歯全体に均等に力が加わらず、特定の歯に負担がかかってしまいます。そのため、負担になっている歯が力に耐えられず破損してしまう可能性があります。
早期に矯正治療をしたり、噛み合わせの問題を解決する咬合治療をすることで、歯根破折を防ぐことができます。

5.マウスピース

睡眠時の歯ぎしりや普段から歯を食いしばる癖がある方は、マウスピースを装着することをおすすめします。普段からのストレスの積み重ねが歯根破折に繋がる危険性があるため、少しでも軽減しましょう。

もし歯根破折してしまったら

もし歯根破折してしまったら

このように破折した歯でも、当院なら抜歯しなくても良い可能性があります

他院では抜歯が必要と診断された場合や、歯を残すことは難しいと判断された場合でも、接着治療が可能な場合はたくさんあります

しかし、歯根破折の放置による細菌感染が重度で歯根膜という膜組織が損傷していたり、歯を支えている骨が少なくなっている場合や、歯の折れ方が複雑だった場合は、抜歯という選択をせざるを得ないこともあるかもしれません。
しかし、抜歯して終わりではなく、その後の治療そしてアフターケアまでしっかり施させていただきます。

抜歯した後の治療は大きく分けて、インプラント、入れ歯、ブリッジの3つがあり、当院は特にインプラントが得意ですので、たとえ抜歯しか選択肢がなかったとしてもしっかりサポートいたしますので、ご安心ください。

インプラントを見る

最後に当院の想いを知ってもらえませんか?

院長が長年臨床や研究に携わってきて思うことは、抜く必要がない歯を抜かれたり、削る必要のない歯を削られたりしている患者様が多いということです。ご自分の歯を大切にする歯科医療の大切さを、研究を続ければ続けるほど身に染みて感じています。

当院では、他院で抜歯するしかないと言われた患者様や、他院では処置が難しいと診断された患者様に対して行うことが多い、破折歯接着治療に力を入れています。
歯の根を処置する根管治療の一環で、非常に細かく手間がかかる治療なのですが、インプラントや入れ歯やブリッジではなく、ご自分の歯で再び物を噛めるという点でおすすめしています。

歯を残すためには、歯を抜いたあと30分以内に処置、接着を施すことが重要で、限られた時間内に素早く正確に処置する技術が必要なのですが、このような怪我治療も得意分野としています。
多くの患者様に、ご自身の歯でものを噛める幸せを感じてほしいという一心のもと、カウンセリング時からアフターケアまで、患者様ひとりひとりとしっかり向き合い、双方が納得できる治療をさせていただきます。
何かあれば遠慮なくお気軽にご相談くださいませ。

ご予約・相談に関して

当院の受診には、峯歯科広尾商店街(広尾院)への受診あるいは、ご紹介が必要となります。
また、一人ひとりの患者様の治療時間を確保するため、完全自費診療となります。

広尾院のHPはこちら
峯歯科 広尾商店街

歯根破折に関する項目

1.歯根破折とは?

歯根破折とは歯の根っこにヒビが入った状態で、原因は事故やケガなどの外部要因も考えられますが、一番多いのは虫歯治療で歯を削り歯が脆くなっていったから、です。

歯根破折を詳しく知る
歯根破折

2.接着治療について

接着治療とは、割れてしまった歯に対して歯科用接着剤を用いて歯を接着し、再びご自身の歯でものを噛むことを可能にする「人と歯に優しい治療方法」です。

接着治療を詳しく見る
接着治療について

3.破折歯に対する接着治療

歯根破折を起こした歯は通常抜歯するのが一般的でした。
しかし、当院は口腔内接着法もしくは口腔外接着再植法の方法を用いてご自身の歯を残すことができる場合があります。

破折歯に対する接着治療
破折歯に対する接着治療

4.歯根破折に対する質問集

歯根破折の治療における痛みや術後の過ごし方、そして治療の成功率など、皆様がよく気にされる内容をQ&A形式で回答しています。

骨造成に関する質問集
歯根破折に対する質問集