接着治療について

接着治療とは?

接着治療とは?

高い技術を必要とする
「割れてしまった歯を接着する治療」

接着治療とは、割れてしまった歯に対して歯科用接着剤を用いて歯を接着し、再びご自身の歯でものを噛むことを可能にする「人と歯に優しい治療方法」です。

接着治療、特に接着再植に対応している歯科医院は全国で1%程度であることから、ほとんどの歯科医院では対応しておらず、「歯根破折=抜歯」という選択になってしまいます。

しかし、当院では「残せる歯は残したい」「ご自分の歯を大切にしてほしい」という医院理念に基づき、歯根破折による接着治療に特に力を入れています。

特殊な素材を使用した接着治療

歯根破折における接着治療は、破折した線(歯根の割れ目)をスーパーボンドと呼ばれる特殊な歯科用接着剤を用いて封鎖します。
スーパーボンドとは、破折した歯の固定・再植を助け、傷口を良好な状態で保護することに役立つ粘着性を持つ物質で、スーパーボンドを用いることで細菌感染防止を図り、再びご自身の歯でものを噛めるようになります。

進歩した歯科用接着剤の活躍

近年の歯科用接着剤の開発と進歩により、健康な部分の歯を削る量を最小限に留めたり、治療後の歯を長持ちさせたりすることが可能になりました。

例えば、従来の虫歯治療は、虫歯部分を削ったあとにセメントで銀色の詰め物を装着するという方法でした。
しかし、セメントが溶けて銀色の詰め物が取れてしまったり、銀色の詰め物と歯の隙間から虫歯(これを2次う蝕や2次虫歯といいます)になったりと、治療後のリスクが多いことが問題視されていました。

日本以外の先進国では銀歯は使用されていない

日本の保険診療では、安価な銀歯をよく治療手段に用いますが、実は日本以外の先進国では、銀歯は健康に悪いという研究結果がすでに出ているので銀歯は使用していません。

接着剤の技術開発によりもっと高い精度で接着治療が実現できるようになった

近年では、接着性の高い新たな歯科用接着剤の開発が進み、質の高い接着治療が徐々にできるようになったため、上記の2次虫歯の問題は大きく改善できるようになりました

当院では、この安定した接着性と封鎖性の高い接着技術(詰め物と歯の隙間をできる限り小さくすること)を歯根破折の接着治療に用いて、割れてしまった歯でも再び噛めるようにするという、これまでは実現できなかった治療を積極的に取り入れております。

接着治療のメリット・デメリット

接着治療のメリット・デメリット

接着治療のメリット

接着治療の最大のメリットは、ご自身の歯を残すことができることです。
特に神経が残っている歯は、その神経を通して歯を丈夫に保つ大事な栄養が流れているため、人工歯よりも強度が強く、噛みごたえも良いため体にも非常に適しています。

また、接着治療では特殊な接着剤を用いて破折した歯を隙間なく接着させることが可能なので、歯を大きく削らずに済み、健康な歯を多く残すことができます。

接着治療のデメリット

歯の残りの量が少なかったり、状態が悪かったりすると歯の耐久力が下がるため、たとえ接着治療を行ったとしても、長持ちしない可能性があります。

「何年残せるのか」は、体格や噛む強さなど普段の生活習慣によって左右されるため正確な数字は分かりづらく、数年でダメになる可能性もあれば、10年以上持つ場合もあります。
高確率で丈夫な歯を長く使い続けたい方には、インプラントという手段もご紹介させていただく場合もあります。

インプラントについて

【知っておきたい豆知識】
保険診療とは?

保険適用の場合

治療費の本人負担は1〜3割で済みますが、保険制度により治療費や治療時間が決められているため、使用できる材料や治療方法など、治療の範囲は基本的なものに限られてしまいます。
歯根破折治療を保険適用で治療する場合は、治療時間や使用できる歯科用接着剤やレジン・被せ物に限界があるため、摩擦や変色により機能的で美しい状態を長年保つのが難しい場合があります。

保険適用外の場合(自費診療)

治療費の全額をご負担していただくことになりますが、使用できる材料や治療時間に制限はなく、歯科医師の持っているすべての知識と技術を用いて、一人一人じっくりと時間をかけて丁寧に治療することができます。

歯根破折治療を保険適用外で治療する場合は、CTによる確実性の高い診断から、粘着率の高い歯科用接着剤や高性能の被せ物を使用することができるため機能性や審美性も高く、予後も安心してお過ごしいただける可能性が高くなります。

接着治療が可能・
不可能な歯とは?

接着治療が可能な歯と不可能な歯

接着治療が可能な歯

歯が割れたり折れてしまったりしてグラグラした状態や、割れてしまった歯が虫歯で痛い状態で、他院では抜歯が必要と診断された歯でも、接着治療が可能な場合はたくさんあります。

しかし、歯根破折は細菌による炎症速度が速いため、1週間放置しただけでも接着治療が不可能な状態になり辛い思いをしてしまうこともあります。
ご自分の歯は治せるのか、まずはお気軽にご相談ください。

当院の接着治療を見る

接着治療がもうできない歯

歯根破折の放置による細菌感染が重度で歯根膜という膜組織が損傷していたり、歯を支えている骨が少なくなっている場合や、もしくは歯の折れ方が複雑だった場合は、口腔外接着再植法を行ったとしても、歯と歯茎が再びくっつかない場合があります。
その場合は、他の治療方法を提案させていただき、一人一人に合った治療方法に最善を尽くして参ります。

接着治療ができない状態をまとめると

  • 歯根破折を放置して重度の細菌感染を起こし、膜組織が損傷している場合
  • 歯を支えている骨が少なくなっている場合
  • 歯の折れ方が複雑な場合

歯根破折に関する項目

1.歯根破折とは?

歯根破折とは歯の根っこにヒビが入った状態で、原因は事故やケガなどの外部要因も考えられますが、一番多いのは虫歯治療で歯を削り歯が脆くなっていったから、です。

歯根破折を詳しく知る
歯根破折

2.接着治療について

接着治療とは、割れてしまった歯に対して歯科用接着剤を用いて歯を接着し、再びご自身の歯でものを噛むことを可能にする「人と歯に優しい治療方法」です。

接着治療を詳しく見る
接着治療について

3.破折歯に対する接着治療

歯根破折を起こした歯は通常抜歯するのが一般的でした。
しかし、当院は口腔内接着法もしくは口腔外接着再植法の方法を用いてご自身の歯を残すことができる場合があります。

破折歯に対する接着治療
破折歯に対する接着治療

4.歯根破折に対する質問集

歯根破折の治療における痛みや術後の過ごし方、そして治療の成功率など、皆様がよく気にされる内容をQ&A形式で回答しています。

骨造成に関する質問集
歯根破折に対する質問集